前回の記事で、若いうちに知っておきたい3つのこと
「貯める力」
「資産運用」
「お金の使い方」
について触れました。
私が勉強して知ったのは30代後半です。「社会人一年目で知っておきたかったなぁ…」とつくづく思いましたが、どうしようもありません。
https://www.kimagurecoffee.com/?p=6(新しいタブで開く)しかし私のような人を少しでも減らすため、お金のことで余計な心配をしないためにもこういう情報を発信していきたいと思います。
この記事では3つのうち「貯める力」にフォーカスしてみたいと思います。
再確認「貯める力」の重要性
「貯める力」とは「支出を減らすこと」と直結します。そして支出といっても「固定費」を減らすことが重要です。
固定費とはなにか?
毎月(毎年)一定額でていくものです。家賃やスマホ代、自動車にかかる費用やAmazonプライムなどサブスクもそうです。
固定費には、ほんとうに必要な部分とそうでない部分があるはずです。
例えばスマホ代。今や必需品といってもいい物ですが、今の電話会社・料金プランは本当にソレでないといけませんか?
都会ならともかく、地方では自家用車が必須なのは間違いないです。けれども移動手段としての車に、贅沢な装飾や余計なオプションをつけていませんか?
ほとんど利用機会のないアプリやサービス、月額数百円だからと放置していませんか?
ほんとうに必要なものを見極めて、そうでない部分はカットする。生活の質を落とさずに節約することができるはずです。
固定費の見直し具体例①「保険」
なかでも「保険代」が改善点の多い固定費といえます。「人生の3大支出(住宅・教育・老後)」に次いで多いとされるのが「保険」「自動車」です。
先述のとおり、本当に必要な保険であれば入るべきです。ここでいう「本当に必要な保険」とはなんでしょうか。
そもそも保険とは「万が一に備えるもの」です。では「万が一」とは?
(一家の大黒柱に若くして不幸があった場合)
(自動車事故で他人を殺めてしまった場合)
(家事で隣家を燃やしてしまった場合)
上記3つは「万が一」といえるでしょう。また「万が一」とは起こる確率だけではありません。起こってしまった時の被害(賠償)が甚大なことも挙げられます。では以下の3つはどうでしょう。
(突発的なケガで一週間通院する場合)
(手術することになり五日間入院する場合)
(万が一、先進医療を受ける場合)
これらは先の3つに比べると起こる確率も比較的高く、起こったからといって生活が成り立たなくなる可能性は極めて低いといえます。(先進医療については後日記事にします)
極論になりますが、「先の3つ以外に保険が必要な場合はあまりない」ということになります。つまり必要な保険とは「大黒柱の生命保険」「自動車保険(対人・対物)」「火災保険」の3つです。
(例)夫35歳(会社員)・妻32歳(主婦)・長女4歳・次女1歳
収入は夫の給料(400万円)+妻のパート収入(96万円)
この時に夫が不慮の事故や病気で亡くなった場合、残された妻と子どもの生活は極めて苦しくなります。厳密にいえば遺族年金等があるので収入ゼロにはなりませんが。
この場合は夫の生命保険を契約する選択肢が出てきます。そして生命保険に入る際は「必要補償額」という考え方がポイントです。
一般的な考え方では「必要補償額の最大は末子が生まれたとき」です。例に挙げた家族の場合、次女が生まれたときが一番補償額を大きくするのです。
つまり最大値から1年が経過している訳です。(1年ではそこまで変わりませんが)
そして子どもが独立(社会人になる)した後は、補償額は大きく下がります。つまり子どもが生まれてから独立するまでの補償額をメインに考えるべきです。
住んでいる場所や子どもの進学状況にもよりますが、それらを概算して必要補償額を出す。その額を生命保険の死亡保険金で補うのが正しい生命保険の考え方です。
むやみやたらに多額の補償プランで契約しても、毎月の支払いが多くなるだけです。
そして子どもが大きくなるにつれて必要補償額を減らしていく。(保険更新時に補償額を下げていく=支払いが下がる)
極端な例を挙げると、この家族の40年後(収入は年金のみ・子供は独立)には夫に多額の生命保険は必要ないでしょう。
そうなると必要な生命保険は「終身保険」ではなく「定期保険」だということがわかります。「一生涯補償が続く」を売り文句にしている終身保険は、必要以上の補償額になりがちです。細かくいうと「必要以上の補償額になる期間がある」わけです。
「定期保険」とは決められた期間(1年や5年など)が保障され、それが終わると更新もしくは解約(満期)となるものです。
例えば子どもが生まれてしばらくは保障を大きくしたい、学校に通い始めたら妻も働きに出られるかもしれない。そういう場合は5年もしくは10年の定期保険で備える、その期間が終わるときに家庭の状況をみて補償額を変更して更新したり解約(満期)したりすればいいのです。
さらに終身保険は「積み立て型」の保険です。「積み立て型」というと掛け金が無駄にならないというイメージを持つかもしれませんが、実際はそうではありません。いわゆる「掛け捨て型」といわれる定期保険よりも、トータルの支払い保険料が割高になる場合が多いです。
また火災保険も必要な保険と述べましたが、これも保障内容を吟味する必要があります。
特に賃貸物件の場合は加入が必須となっていて、ほとんどが不動産屋に勧められる火災保険に入るかと思います。この火災保険の内容はよくよく確認するべきです。
例えば「洪水や水害の可能性が低い地域の賃貸物件の高層階」に住む場合、風水害の被害を受ける可能性は極めて低くなります。
それでも勧められる火災保険は一律の補償となっている(特約が多い)場合が多くなっています。
賃貸物件でメインに考えないといけないのは、火事を起こしてしまった時の大家への賠償です。(借家人賠償責任)よほどの高級家具がなければ、家財は二の次でいいでしょう。
今では簡単にインターネットで調べられるし、契約もできます。場合によっては複数年契約や一括払いで支払い保険料を安くできることもあります。
現状必要な保障を把握し、必要な分だけ保険に頼る。これが保険の正しい使い方です。
固定費の見直し具体例②「通信費」
次に見直すべき固定費として「通信費」が挙げられます。通信費とは、固定電話・携帯電話・インターネット利用料などです。
私の親や祖父母世代には、固定電話は一つのステータスとして持っておく(契約しておく)べきものという考え方があったようです。「固定電話がある=信用がある」といった価値観がそうさせていたのだと思います。
しかし今の時代は携帯電話が主流です。店舗や事業でもしていない限りは固定電話を持つ必要性は薄くなっていると個人的には考えます。
実際に〇〇さんに連絡を取りたいと思った時に、わざわざ固定電話にかけますか?その人が携帯電話を持っていたら、おそらく携帯電話に直接電話するのではないでしょうか。固定電話に電話して、もしその人でなく違う人が出たら取り次いでもらったり、外出中だと折り返してもらう手間が出てきます。
思い切って固定電話を解約するというのも、固定費を下げる一つの方法です。
そして携帯電話。2020年9月の菅首相の「携帯料金値下げ要請」のニュースは記憶に新しいのではないでしょうか。世界的にも高額な料金といわれてきた日本の携帯料金を、大手3キャリアに対して値下げするよう要請し、それが実現した形となりました。
かといって、従来の高額なプランもいまだにあります。事実、格安プランや格安SIMに変えていない方もおられるのではないでしょうか。
保険の部分でも述べましたが、「自分の必要な分だけ」契約するのが一番です。保険では自分の必要補償額を知ることが大事でしたが、携帯料金の場合はどうでしょう。
自分が月にどれくらい通話して、どれくらいデータ通信をしているか。これを知ることが第一歩です。
今の時代、通常の通話はかなり少なくなっています。総務省の調査では1日平均通話時間は2分少々だそうです。
それなのに「通話料無料オプション」は必要でしょうか?なかには家族や友人・恋人と長電話をする方もいるとは思いますが。
調査によると、約7割の方が「通話は一ヶ月30分以内」となっていて「一日1分未満」という結果が出ています。実際に私も仕事・プライベート併せても一ヶ月15分程度、一日最長で5分少々といった具合です。
携帯電話会社にもよりますが、一般的には1分通話すると40〜50円ぐらいが相場です。仮に私の場合なら、15分通話して焼く600〜750円。通話料無料オプションは携帯電話会社にもよりますが、1000〜1800円ぐらいが多いようです。
私の場合なら、オプションをつけずに普通に通話料を払う方が安くなります。さらに特定のアプリを使って通話すると、通話料がかからないサービスもあります。
そしてデータ通信量も把握しておきたいところです。家にインターネット環境(wifi等)がない場合は使用量も多くなるとは思いますが。一般的な社会人は勤務時間中はなかなかデータ通信をする機会がないのではないでしょうか。休憩時間にちょっと検索したり、動画を見たり…
ここでも私の場合ですが、月平均で約6GBです。どんなに多い月でも10GBを超えたことはありません。私のような場合は、大手キャリアの格安プラン「20GB2970円」は必要ないのです。
ちなみに私の職場で、ほぼ使わないという方に聞いたところ1GB未満でした。その方の契約プランは「20GB2970円+通話料無料オプション」でした。通話時間も明細で確認するとおおよそ30分前後だったので、キャリア変更もしくはプラン+オプション変更をすすめてみました。どうしても近所に店舗がないと不安だというので、キャリア変更はせずにプラン変更をしてみたそうです。
仕事の半日休を利用して、手続きしたところ月々2000円ほど安くなったそうです。年間24000円の節約ですね。
最大の敵は「めんどくさい」
固定費の見直しは、一度行えばその効果はずっと続きます。保険で月3000円+携帯電話で月2000円を見直すことができれば月に5000円、年間で6万円も浮いてきます。
固定費の見直しがいかに大きな効果があるかわかっていただけたかと思います。しかしそれを阻むもの…
めんどくさい
私が初めて固定費の見直しをしたのは携帯電話会社の変更でした。当時は3大キャリアの一つで契約していましたが、格安SIMに変えることにしました。運良く近所に店舗があったので、休みの日に予約して手続きに行きました。
それでも夫婦2台分の契約・設定に半日かかりました。前日の解約・MNP手続きの電話を含めると+1時間程度。正直めんどくさかったですね、しかも当時はまだ2年縛りの違約金が1万円近くかかった頃です。
それでも月々8000円が月々2000円程度にまで抑えられました。さらに夫婦2台分で月々12000円、年間で144000円です。違約金2万円も二ヶ月で元が取れました。確かに通信速度制限の時間帯はありましたが、特に不自由は感じませんでした。
「めんどくさい」に打ち勝つにはなかなか気合がいるかもしれません。
ですが、「どれくらい得するのか」「コスパはどれくらいか」しっかりと数字を出して比べてみるとモチベーションが出てくるのではないでしょうか。
加えて浮いたお金で何をするのか、目標を持つこともモチベーションを保つことになりますね。生活費に充てるもよし、旅行に行くもよし。
一番いいのは投資に回すのがいいかもしれませんね。
それについてはまた次回。
最後までご覧いただきありがとうございました。また次の記事でお会いしましょう。